2014年11月13日に行われた早稲田大学建築学科計画系の卒業論文発表会で、研究室所属の9名の審査の結果、全員がA+で合格となりました。


・高位 慧文「住宅での吊り収納の密度と高さにおける居住可能水準の決定」
 狭い居室の床を有効に使うためには、収納を上から吊ろうということで、そのためにはどの程度の高さと空間占有率であれば居住快適性が確保できるかという水準を設定するために、実空間に様々な吊り収納を設定して実験を行った。

・若山 麻衣「建築空間の要素からみたオノマトペによる表現」
 施主が自分の設計意図をデザイナーに伝える時に必ずしも図面表現ができるわけではないので、「すっきり」「じめじめ」「もそもそ」などのオノマトペによる言語表現でコミュニケーションする場合、言葉と建築的要素との関係を明らかにした。

・櫻井 佑衣子「五感情報に基づく「まち」の個性の抽出ー地上にあって地下にないものー」
 地下鉄などの駅を想定し、もっと楽しく地下歩きをするためには、地上で感じる五感を通しての空間情報を積極的に地下に取り入れる必要があり、視覚以外の見えないその街の地上の五感情報を抽出して、地下に展開する可能性を探った。

・池川 隼人「認知症対応型グループホームの共用空間が居住者に与える効果の研究」
 グループホームに入居した認知症患者にとっては、介護者を含む他人との会話回数が多いことが有効であると言われているが、それを実現する共有空間の家具などの配置を見直すことで、介護者の動線に多様性が生まれ会話回数が増えることをモデルにより明らかにした。

松川 祥子「子供の学習空間での自発的行動に与える「香り」の効果」
 学習塾などでの子供の学習集中度(席を立たない、よそ見をしない、おしゃべりしない)を高めるために、空間に「香り」を発生させることが有効であることを確かめるために、アロマや自然素材などを使って実験したところ、杉のお香を炊いた時に劇的な効果があることを明らかにした。

・山路 桜子「機能空間の配置からみた診療所における医療従事者の行動特性に関する研究」
 入院ベッドを持たないような小さな診療所での医師や看護師、事務員などの従事者が、どのように空間を移動しているかビデオカメラで終日行動観察し、そのマルコフ推移から空間のレイアウトを変更した場合の動線の集中度や交錯を減少できることを明らかにした。

・万木 景太「施主のための自由でダイナミックな建築設計システムの開発」
 必ずしも建築家に設計依頼できない施主が、自分の生活欲求やイメージを自ら入力することで、システムが建築的知識をチェックしながら3次元のイメージ空間を作り上げていける道具を、ライノセラスを用いて構築した。

・戸張 圭介「加速度センサーを利用した建築空間における迷い行動に関する研究」
 最近のスマホに装備されている加速度センサーの情報を取り出すことで、商業施設などで買い物行動をしている人間の状態(目的地への移動、迷って店を探す、商品の選択を迷っているなど)を判別できる基準を設定し、適切な空間レイアウトや顧客サービスができるアプリケーションを開発した。

・山口 美穂「親密度・集合密度・時間の変化が発話する対人距離の伸縮に及ぼす影響に関する研究」
 Eホールにより提唱されたパーソナルスペースは、かなりユニバーサルで静的であるのに対し、時刻や対人との親密さによってダイナミックに変化するという仮説を立証するため、さまざまな状態を設定してお互いが近づいた時の発話開始距離を調べ、可変的な新たな水準を提案した。

◎は、優秀論文賞

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